電気製品を「洗う」会社!?
パソコン・スマートフォン・自動車等あらゆる電子機器の内部には、「半導体」をはじめとする電子部品がぎっしりと組み込まれています。これら電子機器の生産過程で電子部品や電子回路に付着する汚れを洗浄する事業を当社は主力事業の1つとして行っています。
フラックス洗浄とは?
電子回路に「半導体」等電子部品を接合する「はんだ付け」工程で使用される、はんだ付け促進剤「フラックス」という物質の残渣(残りかす)を洗浄することを「フラックス洗浄」といいます。この精密洗浄分野で当社は国内No.1シェアの地位を築いています。
高難度洗浄要求に応える
私たちの身の回りにある電子機器は、持ち運びしやすく扱いやすいようにどんどんコンパクトになっています。そのため、製品内部には極限まで小さくされた「半導体」等電子部品が大量にびっしりと敷き詰められ、ミクロ単位の洗浄精度が要求されています。
当社は化学メーカーでありながら、洗浄剤はもちろんのこと機械(洗浄装置)も独自開発している唯一の企業。最適な洗浄剤と洗浄装置による最適な洗浄プロセス開発の両アプローチにより顧客からの高難度要求に応えています。
今後の展望
5G(第5世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)、EV(電気自動車)、AI(人工知能)等次世代テクノロジーの発展に必要不可欠モノが「半導体」。半導体自体の製造工程(前工程)での精密洗浄が重要なのは周知されています。当社の事業は半導体を電子回路に接合する後工程での精密洗浄に特化しており、今後ますます伸びていくことでしょう。低成長社会といわれる現代において、世界でも類をみない有望市場でビジネスが出来ることは、この上なく刺激的でダイナミックではないでしょうか。当社は、今後も「洗う」ことを通じて社会に貢献し、世界No.1シェア獲得を目指します。
美しい自動車塗装、しかし…
カラフルで輝かしい光沢が特徴の自動車塗装。その美しさとは裏腹に、自動車の塗装を行う現場はかつて「きつい、汚い、危険」いわゆる3Kそのもの。その一つが、塗装する時に車体を支える治工具に付着した塗料を剥がす工程です。苛性(かせい)ソーダという劇物を沸騰させて治工具を10時間以上漬け込む、一歩間違えれば死亡事故を招く大変危険な作業が常態化していました。
このような状況を打開し、当社の研究開発型化学メーカーとしての第一歩を踏み出すきっかけを作ったのが、当社の創業者・堀時一郎でした。
創業者が切り開いた成長への道程
右が創業者・堀 時一郎
危険な劇物で10時間以上かけていた工程を、お湯でわずか3分に短縮出来る画期的な塗料剥離用プレコート剤「ポリセラガード」の開発に成功したのが1986年のことでした。ところが、商品が画期的であるが故に従来の売り方が通用しない部分もあり、最初は鳴かず飛ばずでした。
新規開拓に苦戦する社員を前に先陣を切ったのが、創業者・堀時一郎です。星の数のほどの売り込みの中から世界のTOYOTAへアポイント取り付けに成功。しかし与えられた時間は5分。時一郎は百聞は一見に如かずとTOYOTA担当者の目の前でポリセラガードの実演をしました。先方の感嘆の声と、当社の成長の礎を手にした瞬間でした。その後、TOYOTA米国工場(現:テスラ生産工場)への全面採用によって確かな信頼を勝ち得、塗装にまつわる様々な開発テーマを依頼されるようになります。
自動車の発展を陰から支える
治工具や塗装ロボットスーツなどの周辺設備工具の洗浄・剥離など、一分野にとどまらない幅広い領域においてお客様の「困った」を次々と解決してきました。また、国内工場での実績が評価され、北米・南米や中国・東南アジアなどの海外工場でも当社の製品が使われるようになっています。
現在は自動車塗装に限らず、人・環境に優しい低VOC(揮発性有機化合物の含有量が少ない)商品の開発や、電子化・軽量化が進む将来の自動車に対応した新たな開発テーマに取り組むなど、自動車の発展を陰から支え続けています。